発達支援とは…

こどもの「健診」におすすめのカイロプラクティック。

どんな子も受け入れられる院になるために、帰国後まず始めたのは「発達支援センター」の療育ボランティアでこども達と触れあうこと。

そして昨日は、区の広報で見つけた障害福祉課主催の「はじめて学ぶ あらためて学ぶ 発達障害の適切な支援」という公開ワークショップに参加してきました。

発達精神科医による2時間の講演。非常に濃い有意義な内容で、このような講演を区民が無料に聞く機会が増えていることに関心の高さが伺われます。定員180名のホールはほぼ満席でした。
この講演における発達障害の定義は

1.発達に異常があるため、社会適応の問題が生じること
2.通常、成人期に達しても適応の障害が持続する

私個人的には「異常」という言葉の使い方に違和感を感じますが、一応この講演会の場でも、この「異常」は「正常でない」という意味ではなく「通常でない」という意味、つまり少数派という意味だとの断りがありました。

と講演が始まったわけですが、2時間の内容をここにまとめられないので、ほ〜っと思ったことをいくつか。

発達障害と診断される子は「やらない異常:他の子がやることをやらない」「やる異常:他の子がやらないことをやる」「目に見えない異常:一見すると他の子と同じようだけれど、他の子が考えないことを考えている」という特性がある。

(そんなのすべてのこどもがそうだよ、というまっとうな意見はちょっと置いておいて・・)

私がほ〜っと思ったのは、親は「やらない異常が気になる」、先生は「やる異常が気になる」。だから親と先生の意見が食い違いやすいのかもしれないですね。

乳幼児期の自閉症スペクトラムの子は人と物とを分け隔てしない。例えば自転車に乗っていた友達が壁にぶつかって自転車と共に倒れた。乗ってた子は起きあがったけれど自転車は動かない。だから自転車に向かって「大丈夫?」と声をかけることがある。

人と物を分け隔てしないのと同様、母親と他人を分け隔てしないので、乳幼児期の母子関係が薄いようにみえるが、あとから愛着形成していくからあせらなくて大丈夫。自閉症スペクトラムの子の基本は愛情よりも信頼。規則正しく行動する人を信頼する。まずは親子で信頼関係を築いていけばよい。

思春期になるとまわりが見えるようになり、ほかの子とは違うな、と自分でも気づく。その時に自信を失わないよう、思春期までに自尊心をはぐくんであげる。

後々社会人として必要なスキルは
1.自律スキル
自己をコントロールする力。自分にできることは意欲的にやり、できないことは無理しない。
2.ソーシャルスキル
協調性はかならずしも必要ない。それより大切なのは、できないことを相談できること、そしてルールを守ること。

これらは学校では教えてくれない。日本はすぐ命令と服従の関係になってしまう。おとながこどもを従わせようとしたり、逆にこどもの言いなりになってしまう。そうではなく、こどもが思春期になるまではおとなの意見を「呈示」してこどもに「同意」してもらい、物事をすすめていく。思春期以降はおとなは情報提供と考えの整理はおこなうが、助言は控え、こどもに試行錯誤させる。でも、SOSのサインには敏感に。

自閉症スペクトラムの子の育ち方4タイプ
1.特性特異的教育タイプ:その子の特性に配慮した環境で育ち、不器用でも実直な人、信頼できる人として成長する。

2.放任タイプ:自閉症スペクトラムだということにまわりが気づかずに普通の子育てがおこなわれ、やれないことを強要される。自分に必要な情報を教えてもらえない。そのため、いつもびくびく不安。自尊心が形成されない。

3.過剰訓練タイプ:早期発見、早期療育により、〜療法がいいよという情報に振り回され、発達障害の特性をなくそうと毎日のように訓練を受ける。自尊心が形成されず、おどおどして人を警戒してしまう。そんなことじゃ良い学校行けないよ、就職できないよ、と言われ、中学卒業の頃には「俺はニートになるしかない」と決めていたりする。

4.自主性過尊重タイプ:ある種の能力が優れていることのみに注目され、そればかり伸ばし、例えば、人間の基本的なことを学ばずに勉強だけして有名大学卒業。社会に出てうまくいかない。

などなど、

講演のごく一面しか伝えられていませんが、こどもの生きにくさをいかに理解するか、親子がいかにストレスを抱え込まずにつきあっていくか、というヒントがあちこちにちりばめられていたように思います。

1点だけ講演中に気になったのは発達障害を「治らない」と断言し、だから親は達観した子育てが必要、という意見。

帰宅後、その違和感をネット検索すると、その奥にはさまざまな世論が渦巻いているようでした。発言者と聴衆とで「治る」の定義が異なるとたくさんの誤解が生じるのだと思います。

昨今言うところの”発達障害の子”と”普通の子”に境界はありません。社会適応のしにくさを点数評価して、ある点以上は障害、という診断名がつくだけです。それが悪いとは限りません。その子にとってより適応しやすい環境をつくるきっかけになるかもしれません。でも、境界がない以上、特性にあった生活を獲得できればそれは「個性」に変化する、だからこそ、受け入れる社会によって、受け入れる国によって「障害」になったりならなかったりするのだと今の私は理解しています。

今回の講演は、親や支援者がどうかかわっていくべきか、という内容でしたが、わたしたちカイロプラクターは少し立場が違います。当事者のこどもの神経系に働きかけます。からだの信号をうまく受け取れなくなっている部分を受け取れるようサポートする。その子に診断名があるかどうかは関係ありません。ただ、ケアを届けるにはその子その子にあった配慮が必要。今回の講演会はとても勉強になりました。

私の偏見を経た講演内容ではなく、先生のお話の意図をきちんと知りたい方は、書籍を出されているのでぜひどうぞ。
本田秀夫著「自閉症スペクトラムが良くわかる本」
講談社 健康ライブラリーイラスト版

この記事の著者

院長: はるか D.C., Ph.D.

きっず&ふぁみりーカイロプラクティック三田、院長のはるかです。
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