うつぶせ寝による事故、先日もニュースで報道されていました。
今年1月から受講してきた
NPO法人、Safe Kids Japan主催の「子どもの傷害予防リーダー養成講座」、
第7回目はうつぶせ寝も含めた「保育現場の事故」についてでした。
(第1回目の記事以来ご報告を怠っていますが・・)
厚生労働省の事故報告によると、
平成23年から26年におきた保育施設における死亡事故、全68件のうち、
お昼寝中の事故が55件、なんと
81%
事例としては、
赤ちゃんをベビーラックの上に寝かせておいたら、
別の子がベビーラックに這いのぼって覆い被さり、
ラックで寝てた子が窒息、
あるいはうつぶせ寝で放置して窒息、
など。
いつもニュースで報道されるのは、
目を離したことを責める内容と労働環境の悪さ。
「目を離した責任」ばかり追求され、
死亡事故に至った「メカニズム」は公開されない。
うつぶせ寝にしないようにしましょう〜
目は離さないようにしましょう〜
という標語が伝えられるだけ。
その結果、どういった理由で危険なのかが理解されず、
事故は繰り返されるのだそうです。
前回の「子どもの安全、技術士のみなさんのおかげ・・」の記事で、
子どもが遊具の土台のコンクリートで頭を打って大けがをしても、
大人がしっかり見ていなかったことが責められ、
または遊具自体があぶない、と一言で片づけられ、
何が直接の原因か、つまり足場のコンクリートのせいで大事故になったことは
追求されない(情報公開されない)のと同じ。
余談・・
今日通りかかった駒沢オリンピック公園の
遊具の下には分厚いゴムマットが!
これなら子ども達も安心^0^
さてうつぶせ寝、
平成10年から仰向け寝キャンペーンをおこなったところ、
SIDS(乳幼児突然死症候群)による死亡が
平成9年の538件から平成25年の125件、つまり
4分の1以下
に減少。
死亡原因が窒息ではない場合、原因不明なのでSIDSだと言われます。
SIDSについては厚生労働省のサイトにおまかせしますが、
今回お話された弁護士の寺町東子さんによると、
どちらにせよ、血液中の二酸化炭素濃度上昇が大きな一因ではないか、とのこと。
ふかふかの布団だと口をふさいでしまって危ないと思われていますが、
実は、固めのマットレスでも危ない。
うつぶせ寝にしたとき、顔の近くで二酸化炭素がどう対流するか、
が重要因子のようです。
固めの布団にシーツ1枚なら
赤ちゃんがうつぶせになって呼吸しても
二酸化炭素は大気中に拡散して溜まらない、
しかし、そこにバスタオル1枚を敷いただけで
二酸化炭素の対流が弱まって
赤ちゃんの顔の近くは二酸化炭素濃度の高い空気になってしまい、
吸える酸素がどんどん減っていく。
つまり、ビニール袋をかぶって呼吸し続けたら窒息してしまうのと同じですね。
ふかふかの布団でなくても危ない、ということを
どれだけ保育現場の人たち、親たちが知っているでしょうか。
仰向けにするとぐずる赤ちゃんはうつぶせ寝にする、
そういう慣習のある保育園もあるようです。
実際、それで落ち着く子もいる。
でも、その場合は保育士さんがこまめに様子をみる必要があります。
うつぶせ寝でも大丈夫な子は自分で顔を横に向けることができる赤ちゃん。
赤ちゃんはうつぶせで呼吸がしにくくなったとき、
顔を横に向ければ大丈夫、ということを起きているときに少しずつ学んでいきます。
ところが、最近は仰向け寝が推奨されているため、
うつぶせ経験のない赤ちゃんが保育園に入ってくる、
保育園で慣れないうつぶせにされ、
対処できない赤ちゃんが増えているんだそうです。
なので、家でうつぶせを訓練しましょう〜
という意味ではありません!
赤ちゃんは自分のペースで必要なことを
必要なタイミングで学んでいくので、
「訓練」は必要ありません。
知って欲しいのは、
うつぶせ寝で対処できない赤ちゃんがいる、
ということと、
口をふさがれなくても二酸化炭素濃度が上昇して大事に至ることがある、
ということ。
特に2つ目は、小さな赤ちゃんでなくても注意が必要です。
では、仰向けでぐずる赤ちゃんはどうすればいい?
それは長くなったので次の記事に・・